キッチン動線はスムーズですか?
――毎日の「行ったり来たり」を減らすレイアウトの考え方――
「料理中にバタバタしてしまう…」
「気づけば冷蔵庫とシンクを何度も往復している…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
キッチンは“毎日の家事の中心”。
だからこそ、動線が整っているかどうかで 家事のしやすさが大きく変わる場所 なんです。
この記事では、
- なぜ動線が大切なのか
- どこを見ると「スムーズか」判断できるのか
- よくある失敗例と改善のポイント
について、リフォームの現場経験からお伝えします。
なぜキッチン動線が大事なのか
キッチンの動線とは、
「調理 → 盛り付け → 配膳 → 片付け」
この一連の流れがムダなく行えるかどうか。
動線が悪いと、
- 無駄な歩数が増える
- 調理のテンポが乱れる
- 片付けが億劫になる
- 家族と動きが重なって“渋滞”が起こる
など、日々の“ちょっとしたストレス”が積み重なります。
私はこれまで多くのキッチンリフォームを行ってきましたが、
動線を整えただけで
「こんなにラクになるとは思わなかった!」
と驚かれる方が本当に多いです。
毎日の小さなラクは、暮らしを確実に軽くします。
どこを見ると「動線が良い」と言えるのか
① 冷蔵庫・シンク・コンロの三角形(ワークトライアングル)
最も大切なのは、冷蔵庫・シンク・コンロの位置関係。
この3点が適度な距離で三角形になると、動線が短くまとまります。
理想は、
- 各辺が 1.2m〜2m
- 回り込みが不要
- 歩幅2〜3歩以内で届く距離感
特に冷蔵庫は「家族が使う場所」でもあるため、
調理動線と家族動線がぶつからない配置が理想です。
② ゴミ箱の位置
見落とされがちですが、実は動線の大きなポイント。
- 野菜を切る → 生ごみ捨て
- 調理中のパッケージ捨て
- 片付けの燃えるゴミまとめ
これらが“ひとつの動線上”にあるだけで、調理のテンポは格段に良くなります。
ゴミ箱が遠いキッチンは、例外なく使いにくい。
これは多くの現場で共通する事実です。
③ 収納の取り出しやすさ
スムーズに使えるキッチンの特徴は、
「使う場所のすぐ近くに使うものがある」こと。
- 調味料 → コンロ横
- 包丁・まな板 → シンクそば
- 食器 → 食洗機の左右又は背面
“1アクションで取れる距離”にあるだけで、動線は一気に短くなります。
よくある失敗例と改善ポイント
❌ 冷蔵庫がキッチン奥にあり、家族が取りづらい
→ 改善: 入口側に移動し、「家族の動線」と「調理動線」を分ける。
❌ ゴミ箱スペースが後付けになり、動線から外れてしまう
→ 改善: 引き出し式・背面収納・カウンター下などに事前に確保しておく。
❌ 作業スペースが分断されている
→ 改善: シンクとコンロの間に最低60cmの作業スペースを確保。
(理想は75〜90cm)
「通りにくい」「振り返りが多い」と感じる方は、
この3つを見直すだけで劇的に改善します。
まとめ|動線が整うと、キッチンはもっと味方になる
リフォームには正解が一つではありません。
ですが、毎日の動きがスムーズになるだけで、
- キッチンに立つのがラクになる
- 片付けの負担が軽くなる
- 家族の動きとぶつかりにくくなる
など、暮らしが大きく変わります。
毎日の小さな“ラク”が積み重なる場所。
それがキッチンの動線です。
一緒に、あなたの暮らしに合った心地よいキッチンを考えていきましょう。

