「リフォームはサービス業なのかと考えた日」

今日、お客様との打ち合わせがあって、
帰り道に少し考え込んでしまった。

図面の話よりも、
暮らしの話の方が長かった気がする。

どこに棚をつけるかより、
朝の家族の動き方や、
帰ってきた時の空気の話。

正直、
こういう時間は嫌いじゃない。

でも、ときどき思う。
これでいいのか?と。

もっと早く決めた方がいいのかもしれない。
もっと施工の話を進めた方がいいのかもしれない。
そんなふうに、少しだけ迷うこともある。


リフォームって、
形をつくる仕事だと思われがちだけど、
実際はもう少し手前にある気がしている。

言葉にならない希望を、
どうやって拾うか。

そこに、
いちばん神経を使っている。

たとえば、
「なんとなく暗い気がする」
という一言。

この“なんとなく”の中に、
本当の困りごとが隠れていることが多い。

それは照明の明るさじゃなく、
動線かもしれないし、
窓の位置かもしれない。
あるいは、帰ってきた時に気持ちが沈むような、
空間全体の空気感かもしれない。

でも、それはお客様自身も
まだはっきり言葉にできていないことが多い。

だからこそ、
こちらが急いで答えを出すよりも、
一緒にほどいていく時間が必要になる。

私はたぶん、
図面を描く前のその時間に、
いちばん大事な仕事があるんじゃないかと思っている。


サービス業かどうかで言えば、
やっぱりそうなんだと思う。

ただ、
それは単に気を遣うことではない。

愛想よくすることでも、
何でも言う通りにすることでもない。

相手の不安を減らして、
納得を増やしていくこと。

迷っていることを整理して、
「これでいこう」と
自分で決められるところまで伴走すること。

それが、
この仕事における“サービス”なんじゃないかと思う。

家をきれいに直すだけなら、
工事業者としての仕事で終わるのかもしれない。

でも、私が考えるリフォームは、
住む人のこれからの暮らしに関わる仕事。

だから私は、
完成した形だけではなく、
そこに至るまでのやり取りや、
工事中の空気、
そして安心して任せてもらえることも、
全部ふくめて価値だと思っている。

私は、そこをごまかしたくない。

少し時間はかかるけれど、
その分だけ、
納得のいく形に近づく気がしている。

家を直す仕事である前に、
人の気持ちに向き合う仕事。

だから私は、
リフォームって、やっぱりサービス業だと思う。

気づけば、自分で仕事の敷居を上げているのかもしれません。
でもそれは、ただきれいに仕上げるだけではなく、
お客様が安心して進められる時間も大切にしたいと思っているからです。





 

 

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