布団の巣からの小さな回復

体調を崩して寝込んでいたら、
布団がすっかり“自分だけの巣”みたいになっていた。
変な安心感があって、起き上がるタイミングを見失う。

医者に行ったらインフルではなくて、
「ほっと」して少し肩の力が抜けたけれど、
帰り道の冬の空気がやけに重たく感じた。

―――

寝ているあいだ、
布団に落ちた体温の跡がまだ残っていて、
自分が思っている以上に弱っていたんだなと気づく。

現場でもそうで、
職人さんの動きが一拍遅いだけで
「あ、今日は無理してるな」と察する瞬間がある。
言葉より先に、感覚でわかることがある。

今日はその“裏返し”を、
自分の身体から教わった気がした。

本音をひとつ書くと、
ひとりで仕事してるようで、
実は人に支えられてばかりだなと思った。

―――

布団の巣も、
そろそろ片づけてもいい頃。
明日はもう少し、
軽く動ける気がしている。

 

 

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