魚が食べられるようになった日|苦手がほどけたあの日の気づき

 

今日、夕飯で魚を食べながら、
ふと「僕が魚を食べられるようになった日」のことを思い出しました。

正直なところ……

昔の僕は、魚の“あの生臭さ”と“ぐにゃっとした食感”が本当にダメで。
避けられるなら一生避けていくつもりでした。

でも、人生って本当に分からないもんです。


 

友人に誘われて釣りに行った日。
手にした魚を「どうしよう」と眺めていたら、
結局そのまま持って帰る流れになりましてね。

家でまな板の前に立ったとき、
ちょっとだけ覚悟を決めました。
触るのもためらう相手なのに、
自分でさばくしかない状況が目の前にあって。

包丁を入れた瞬間、
思っていた“魚のイメージ”がすっと塗り替わったんです。
身が透き通るようで、張りがあって、
嫌っていたものとはまるで別物でした。

そこで——はっきり気づいたんですよ。
「僕が嫌いだったのは“魚”じゃなくて、
“良い状態を知らないまま食べていた魚”だったんだな」と。

新鮮な魚は、
処理ひとつで味が変わること。
すぐ食べたほうがいい魚と、
少し寝かしたほうが旨味が出る魚があること。
そんな特徴を知るたびに、
苦手が少しずつほどけていきました。

そして、釣り人の特権として、
めったに口にできない魚に出会える瞬間もあって。
あれは本当に……ちょっと嬉しいんですよ。
自分だけのちょっとしたごほうびみたいで。


 

思えば、苦手って“知らないだけ”のことが多いんですよね。
向き合ってみると、案外すっと馴染むこともある。

明日はもう少し、
新しいことに手を伸ばせる気がしています。

ゆっくり広げていけばいい。
そんな夜でした。

 

 

 

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